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上映会情報
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INTRODUCTION
横浜の片隅に、真っ白な光で満たされた小さな部屋がありました。
名前は「逃げBar White Out」。
そこでは、理由も名も問われず、ただ“逃げている”ことがそのまま受け入れられていました。シェルターでもカフェでも福祉施設でもなく、社会に足りなかった“逃げのグラデーション”を形にした実在の空間です。
前に進むための逃げ、立ち止まるための逃げ、そしてただそこにいるための逃げ。その空間には人の数だけの逃げる事情があり、監督自身が5年間にわたり、その光景を見つめ続けてきました。
『光へ逃げれば -Escape to Light-』は、その記憶と空気をもとに生まれた、アメミヤユウ初監督による長編映画です。主人公・千種正勝が光に出会うまでの静かな旅路を、生前葬「白葬」をモチーフに描きます。
白くやわらかな光、すれ違う視線、ふとこぼれる沈黙。そんな瞬間が、観る人の奥に眠る選択肢をそっと呼び覚まし、失われた空間の温度と光が、スクリーンの中で静かに息を吹き返します。
逃げたいときは、逃げてもいい。
それは、頑張ることでも、繋がることでもなく、
ただ、自分を見つめ直すための、静かな時間。
『光へ逃げれば』は
そんな時間のそばに、そっと寄り添う映画です。


STORY
千種正勝はライターとして、雑誌のゴシップ記事やウェブニュースなど、媒体も内容も問わず朝から晩まで書き続けていた。だが、彼が本当に書き続けたかったのは“小説”だった。
かつて無我夢中で物語を綴っていたが、結果は伴わず、やがて自らの才能のなさを痛感する。夢は封じ込められ、彼は薄給のまま記事を書き続けることで、本当にやりたかったことから目を逸らし続けた。
そんな日々の中、年老いた母は癌を患い、1階からは夜な夜な咳の音が響く。職場では理不尽な編集者に使われ、心身ともに疲弊していたある夜、千種の書いた記事が炎上し、SNSには容赦のない言葉が並ぶ。追い詰められた彼は、衝動的に「しにたい」と呟いた。
翌日、その投稿を見た取引先の編集者・夏目から、一本の電話が入る。千種に託されたのは、“逃げ場”として噂されるBar「逃げBar」の取材記事だった。「仕事だから」と取材に向かった彼を待っていたのは、光に満ちた白一色の異空間。
謎めいた店主、そしてさまざまな理由で“逃げてきた”人々との出会いの中で、千種は「逃げる」ことの多様さ、そしてかつて自分が書いた小説と店主の人生が重なっていることに気づいていく。
そんなある日、来客のひとりから、「逃げBar」で“白葬”という生前葬が行われていることを聞かされる。夏目が取材を依頼した真意、自身の過去、そして母の存在。いくつもの断片が重なったとき、千種は自らも白葬を行うことを決意する。
“白葬”とは、今の自分を一度葬り去り、新たに生まれ直すための儀式。命日を迎えるまでの静かな時間の中で、千種は母の想いに触れ、本当の自分を取り戻していく。そして白葬の当日、白い部屋の白い棺に身を横たえ、静かに目を閉じる。
これは、“逃げ場”を舞台に、「逃げる」という行為そのものを見つめ直す物語。逃げること、逃げ切ること。実在した「逃げBar」で起きた出来事を織り交ぜながら、誰もが選べる「逃げる」という選択肢のグラデーションを描く、現実と虚構の交錯する物語。














